両輪片持ちフォークという一風変わった車体であるSTRiDAは、一般的な他の折り畳み自転車よりも気軽にタイヤ交換をおこなえる面白い自転車だ。
しかし残念ながらこちらで把握している限りではSTRiDAへ換装できる18インチタイヤの種類は現在たったの5種類のみ。
今回は所有している実走経験済みの2種類を中心に以下へ内容をまとめた。
■目次
- STRiDAに装着可能な18インチタイヤの種類
- 前後輪共に装着可能なタイヤ
- 前輪のみ装着可能なタイヤ
- タイヤの選択肢が多いほうが良いという方は16インチを選ぼう
- タイヤ交換にはタイヤレバーを使おう
- 18インチ用の定番チューブ
STRiDAに装着可能な18インチタイヤの種類
現在一般流通しているタイヤでSTRiDAの18インチホイールに装着できるものは1.25幅だけと思ってもらって問題ない。それ以上の太いタイヤを履かせようものならタイヤの横っ腹がフレームに接触してしまって走行することができない可能性が非常に高い。
過去にBd-1用として流通していた18x1.125(1 1/8)や18x1.35、18x1.5サイズのタイヤにはSTRiDAに装着可能なタイヤもあったそうだが、現在は廃盤となっていて入手は絶望的だからだ。
前後輪共に装着可能なタイヤ
番外として前輪のみ取り付け可能だった18インチタイヤを紹介するためにこういったジャンル分けをした。
とりあえずはこのまま気にせず読み進めてもらえれば詳細は後述するので大丈夫だ。
SCHWALBE KOJAK (シュワルベ コジャック)
■2本セット SCHWALBE(シュワルベ) KOJAK コジャック 18×1.25(32-355)
18インチスリックタイヤの定番。何よりデザインが超カッコイイ。
サイドウォールが肉薄でサイドカットしてしまい易い事と、スリックタイヤ故に?スリップし易いことが欠点。特に白線の上やマンホールの蓋、敷鉄板の上などは濡れていなくとも走行時には細心の注意を払いたい。実によく滑る。
1本公称195gという軽さの割りには耐久性は上々で、4,000kmぐらいまでは問題なく走れたという話もあるぐらい。自分はそこまで走ることなく後述するタイヤへ履き替えてしまったので実際のところはわからないが、うっかりガラス片をトレッド部で踏ん付けてしまったことがあったが特に問題は無かったので噂通りヤワな造りではなさそうだ。
こちらの写真は以前メンテナンスをした際に撮ったもの。
どれぐらいの走行距離で撮った写真なのかは忘れてしまったが、画像の通り摩耗自体は結構しっかりしていくので、たまに前後タイヤの入れ替えをしてあげると長持ちしてくれる。
空気圧は380-650kPa
DURO Easy Ride (デューロ イージーライド)
■DURO(デューロ) DB-7053 Easy Ride 18×1.25
驚異のコスパ。とても安いが品質が悪いという訳ではない。
欠点は肉厚故に1本295gと非常に重いことだが、その分乗り心地がコジャックよりも柔らかく、アップライトポジションのSTRiDAと相性が良いかと思う。
また、グリップ力も高く、シュワルベコジャックの紹介で説明した濡れた路面でのスリップもこちらに変えてから1年半以上経験にない。通勤などで雨天時も使うというのであればこのデューロイージーライドを是非ともお勧めしておく。
タイヤ周長も1350mmと、1325mmのコジャックよりやや大きいためクランク1回転あたりの走行距離にも優れる。走り出しの軽快さではコジャックに敵わないが、日常用途では間違いなく頼りになるタイヤだ。
画像左側がリヤタイヤで右側がフロントタイヤだ。溝に小石が挟まっているのはご愛嬌。
コジャックよりも走行距離は断然多いはずだが、こちらは後輪が少々の摩耗をしている程度しか見受けられない。前後の入れ替えもまだまだ気にしなくて良さそうだ。
空気圧は400-650kPa
Panaracer MINITS LITE (パナレーサー ミニッツライト)
■Panaracer(パナレーサー) MINITS LITE PT ミニッツライト PT(1本巻き)18×1.25
筆者未購入。
1本150gと最軽量。しかし価格も1本5,900円と最高値。
グラム数からもわかる通りシュワルベコジャックよりも肉薄で耐久性が低い。噂によれば2,000kmも走れないぐらい低耐久で、路上のデブリなどでパンクし易いため日常用途にはあまり向いていないかも知れない。
走り出しの軽快さや1gでも多く軽量化することを優先したい方はこちらをどうぞ。
KENDA KRITERIUM (ケンダ クリテリウム)
■KENDA KRITERIUM 18x1.25 32-355 新品1台分セット 18インチ 仏式チューブ
筆者未購入。
ずっとヤフオクに出品されている仏式チューブセットのセミスリックタイヤ。
ヤフオクのシステムで出品と出品期間終了、または落札終了を繰り返している。リンクから一時的にオークションの終了ページに飛ばされてもしばらくするとまた出品されるので欲しい場合は焦らず待ってみよう。
この値段で2本セットのチューブ付きは送料次第でかなりコスパが良いはず。
詳細についてはリンク先の商品説明で大体のことは把握できるかと思う。
側面のプリントも現在のロットではオミットされているらしいので、車体のカラーに黄色を入れたくない方のタイヤ候補にもなる。
重量は1本216g
空気圧は345-585kPa (50-85PSI)
18x1.25 Innova tire For STRIDA (イノーバタイヤ フォー ストライダ)
■Strida Folding Bike 18X1.25 size 85 PSI Anti Puncture Tire For Strida
筆者未購入。
こちらはSXに標準装備されているSTRiDAのノーマルタイヤだと思うが正式な品名がわからなかった。
別売のSTRiDA用18インチホイールはすでにシュワルベコジャックが付属していることが多いので、こちらのイノーバタイヤは逆にレアかも知れない。一応ebayでの取り扱いが確認できたので、タイヤ単品での入手は可能かと思われる。
前輪のみ装着可能なタイヤ
18インチで太いタイヤを装着した場合に接触してしまうフレームはボトムチューブのリヤ部分となる。STRiDAのバージョンにもよるかもしれないが、前輪だけなら1.5サイズの太さでも装着自体は可能だったりする。
そうした場合のデメリットはフェンダーが付けられないことや、折り畳み形態で前後輪のタイヤ周長が歪になってしまうこと。後者は転がし移動や立て掛けが不安定になるので気遣いが必要になってくる。
パンク対策としてチューブを携帯する場合にも前輪1.5、後輪1.25となると2種類のチューブを携帯する必要が出てくるので少々面倒ではある。
Panaracer PASELA COMPACT (パナレーサー パセラ コンパクト)
■パナレーサー(Panaracer) [18×1.50] パセラ コンパクト
重量355g
サイドにカラーのあるタイプとそうでない黒一色のタイプとで造りが違うらしい。
筆者は赤ラインのものを購入した。
前輪だけとはいえ操縦の要である前輪が安定性の高い1.5サイズとなると走破性が高くなり、路上の段差などを乗り越える場合に心強い。
また、チューブも1.5サイズの太いものを使用するためやや低圧で運用した際の乗り心地が1.25とは比べ物にならないほどマイルドにもなる。前述した各種デメリットはあるものの、得られるメリットも相応に大きいものとなるため興味のある方は一度試してみて頂きたい。
こちらはSTRiDA5.0の前輪に取り付けた際のギリギリ具合を写真に収めたところ。
現行品であるLTやSXなどでは試したことが無いので、それら機種への交換は自己責任でお願いしたい。
タイヤの選択肢が多いほうが良いという方は16インチを選ぼう
大人気折り畳み自転車Bromptonの影響か、現状タイヤの選択肢が多いのは16インチホイールなので、色んな乗り味を楽しみたい方には16インチホイールをお勧めする。
最近も新たに日本の小売店で流通を開始する16インチタイヤがあるほどには安定した需要があるので飽きの来ないホイールでもあると思う。
余談ではあるが、中にはタイヤ周長で18インチを上回る大きさの16インチタイヤも存在していたようだ。
参考:Strida Forum
覚書#STRiDA MultiCam の標準タイヤ
— SAY (@SAY_JUG) 2021年11月27日
INNOVA IA-2103 16x1.75(47-305)
35PSI(マニュアルでは40-65PSIとあるが、MultiCam は35PSI)
重いが、セミファットタイヤなので、段差に強い。#ストライダ#ストライダアドバイザー pic.twitter.com/OKhnuuAkuA
また、マルチカム標準で付属するセミファットタイヤが1.75幅という太さなので、恐らく18インチのSTRiDAでは味わえない乗り心地が楽しめるのではないかと思っている。
タイヤ交換にはタイヤレバーを使おう
基本的にクリンチャータイヤの自転車をタイヤ交換する際にはリム、リムテープ、チューブ、タイヤと4つのポジションを気にしながらおこなうことになる。
中には素手でこの作業を遂行してしまう玄人も存在するが、専用の道具を都度使ったほうが圧倒的に楽で綺麗に間違いなく終えることが可能であるのは言うに及ばず。
大した額の大道具という訳でもないので、とりあえず持っておくことをお勧めしたい。
■パナレーサー(Panaracer) タイヤレバー 3本セット
タイヤレバー定番中の定番。形状、素材の硬さが絶妙で非常に使い易い。
毎度紹介するたびに同じことを書いている気がするが、不満点がないのが強い。
負荷が加わると曲がったり歪んだりする粘り具合が他のタイヤレバーよりも個人的に好みでもある。
日没前に、
— 村ひであき (@NqyQck7YvTphAI2) 2022年11月2日
どうにか△を見つけた地方の三角団
さよなら△またきても△です🐥✨️
#三角団 #おりたたぶ #ストライダ pic.twitter.com/tDbMdgo1S2
STRiDAを撮影する場合ハンドルを真っ直ぐに固定する小道具としても使える。
何もなしにSTRiDAをこのポーズにさせると簡単に前フレームの首振りが起こるので、すぐ転倒してしまい車体にダメージが入ってしまう。最悪の場合転倒によって地面のタイルを割ってしまうなど環境を破壊しかねないのでなるべくならこういった撮影時の安全対策にもなる道具は常に携帯しておきたい。
18インチ用の定番チューブ
特に深い拘りがある訳ではないが、検索してすぐ見つかったことからシュワルベのシリーズを愛用している。このチューブで今までにパンクやその他トラブルに遭遇したことはないので安心して使っていけるはず。
筆者は仏式で揃えているが、米式チューブもラインナップがあるようだ。
注文の際はタイヤ幅のサイズと仏式、米式のバルブ規格を間違えないよう注意してほしい。
18インチ仏式チューブ(フレンチバルブ)
■SCHWALBE(シュワルベ) 18×1.25用チューブ 仏式 40㎜バルブ 4SV 【2個セット】
18インチの1.25サイズで仏式バルブならこちらをどうぞ。
単品販売より価格に優れているので1個だけ必要だとしてもこちらから購入することを勧めたい。
■SCHWALBE(シュワルベ) 18×1.25用チューブ 仏式 40㎜バルブ 4SV 【単品】
前述した18インチの1.25サイズで仏式バルブチューブの単品販売版。
2個セットの方が圧倒的に価格が優れているので何らかの理由がない限り単品での購入はお勧めしない。
■SCHWALBE(シュワルベ) 18×1.5用チューブ 仏式 40㎜バルブ 5SV 【単品】
こちらは18x1.5サイズの仏式版。
前輪だけ1.5サイズのタイヤを履いてみたい方はこちらのチューブを前輪に使おう。
18インチ米式チューブ(アメリカンバルブ)
■SCHWALBE(シュワルベ) 18×1.25用チューブ 米式 【単品】
筆者未購入。
こちらは18x1.25サイズの米式版。
残念ながらセット販売は確認できなかった。
■SCHWALBE(シュワルベ) 18×1.5用チューブ 米式 【単品】
筆者未購入。
こちらは18x1.5サイズの米式版。
前輪だけ1.5サイズのタイヤを履いてみたい方にはこちらのチューブを。