STRiDAをドロップハンドル化した理由

たまに質問されるのでいつか記事にしておこうと考えていたお題。

そんな大層な事でもないが、それなりの経緯があって事に及んだので頭の中を整理整頓しながら以下へ纏めた。

 

あくまで初心者自転車乗りが机上の空論を基に起こした行動の纏めなので、”こういう考えでこういう形に落とし込んだ”というだけの内容だ。

なので途中の考察について突っ込みを入れられたとしても、以降書かれていることは当時の思い付きによる行動の理由でしかないのでご勘弁願いたい。

 

 

■目次

 

 

 

 

 

乗っていて感じたSTRiDAへの個人的な不満点

STRiDAは非常に良くできた造りの折り畳み自転車で、想定されている使用用途に特化した設計をしていると感じる。故に不得意な分野もかなりハッキリしている側面がある。

実際に乗り続けて思ったSTRiDAのここが厳しいという点を以下へ。

 

STRiDAに乗っていると腕や肩が疲れる。

STRiDAを入手してから最初の数ヵ月間、その独特のハンドリングを楽しみつつも、他の自転車より腕への疲労が激しい事に気が付いた。

多分ホイールベースの短さによる直進安定性の悪さ、不安定さが腕や肩への負担になっているのではないか?と思い、これを改善するために初期からトグスバーエンドバーを利用してハンドルポジションを楽にする試みを続けていたという点が最初のひとつ。

 

 

 

向かい風を最大限受け止める乗車姿勢の辛さ。

STRiDAにおける特徴として基本の乗車姿勢がアップライトポジションであることが挙げられる。

STRiDAを気に入る方はこの特徴をポジティブに受け入れるし、自分自身も最初は”気楽に乗れて良い”と思っていたが、一度のサイクリングにおける走行距離が徐々に伸びていくうち臀部への負担の大きさや、空気抵抗を一身に受け止めるデメリットの部分が気になってきてしまった。

そういう人はそもそもSTRiDAに向いていないという話は一旦置いておいて話を続ける。

 

 

 

当時16インチホイールから18インチホイールへ換装したばかりということも相俟ってか、車高が高くなった分の空気抵抗(この程度の差は誤差だとは思う)が気になっていたのも大きい。

 

 

 

 

 

享受したいドロップハンドルのメリット2点と実装の問題点

バンディットハンドルバーの逆付けではなく、ブルホーンハンドルでもなく、わざわざドロップハンドルに希望を見出したのには理由があるが、実装に際しての大きな問題点も抱えている。

 

ドロハン化は上記2つの不満点を一挙に改善する手段

手首を45°捻るT字ハンドルのポジションより、掌を縦に維持できるハンドルのほうが長時間のサイクリングでは腕が疲れにくい。

STRiDAのハンドル位置から伸びる下ハンをメインにすることで、前傾気味の姿勢を出せる。姿勢が低くなることによって空気抵抗は減るし、ハンドルへ体重を分散し易くなるので臀部への負荷も幾分かは楽になる。

 

 

 

問題を解決しようとして発生する別の問題

では”STRiDAのドロハン化をどうやって実現するのか?”という問題が出てくる。

STRiDAは折り畳み自転車で、ハンドルを三節棍のように折り畳める構造をしている。

一般的なドロップハンドルをSTRiDAに付けることが出来たとしても、その独特な折り畳み方法に支障が出てきてしまうし、折り畳まないのであればそれこそSTRiDAである必要が無い。素直にドロップハンドルのロードバイクでも購入すればいい話である。

ここでもやはりSTRiDAに向いていないという結論が出てくるが、STRiDAを選ぶ理由は後述するのでこのまま話を続けたい。

 

 

 

ドロップ型バーエンドという選択

■ Origin8 Drop Ends by Origin8

 

世の中にはこういった後から追加する形のドロップバーが出回っている。

 

 

 

これさえあれば、STRiDAの折り畳み型ハンドルはそのままにドロップ形状への変更が可能となるが、実際の折り畳みには支障を来すという次なる問題が発生する。

上記画像だとボトルホルダーやサイドミラーでわかり辛いが、内側にハンドルを折り畳む都合上、左右の下ハン部分同士が折り畳みの途中で接触し、コンパクトには折り畳めない。

 

 

 

これに関してはどちらか片方のドロップバーをQRでスライドできるよう細工して事無きを得た。

 

 

折り畳み時にQR側のドロップバーをスライドさせて、互い違いに交差するよう折り畳む。簡易な折り畳みがメリットであるSTRiDAに手順を追加してしまう愚かな行為ではあるが、STRiDAに取り付け可能な折り畳めるドロップハンドルを用意するという点ではここら辺が自分の限界だ。

また、ブラケットポジションを利用するにはドロップバーの固定力に疑問があるのでなるべく使わない方向で考えている。

 

 

 

 

 

STRiDAをドロップハンドル化してから約一年半

2021年7月からドロハン化させていたようなので、約17ヶ月運用した感想を以下へ。

 

得られたメリット

凡そ前述したデメリットを解消するだけの体感効果が有った。が、如何せん数値で表せられる内容ではないので個人的な体感でしか伝えることはできない。

2時間ぐらいならずっと乗っていても腕は変に疲れたりしなくなったし、臀部も痛くはならない。ただ単にSTRiDAに慣れただけだと言われたら返す言葉は持っていないが、自転車を長時間楽に漕いでいたい場合は適切な乗車姿勢が大事になってくるという話を体感できた気もする。

想像した通りの根拠に基いた結果が得られたのかどうかはわからないが、結果は望んでいた通りとなり一応の満足はしている。

 

 

 

得てしまったデメリット

・折り畳みに手順が増えたこと。

・折り畳み時、展開時共にドロップバーをスライドさせる度ハンドルが傷付くこと。

・今後その傷が元でハンドルが折れる可能性が有ること。

・ドロハン化に必要なパーツの分だけ重量が増加していること。

 

 

 

 

 

ドロップバーエンドを利用したSTRiDAのドロハン化を勧めるか?

 

改造するというのはメリットだけではなくデメリットも増えるのが常であり、自分がどういった方向に特化させたいのかよく考えた上で、改造後にどのような取り扱いが適切になるのかを知る必要があると思う。

これは誰にでも真似できる改造なので、些細ではあるが取り扱い方によっては安全面で不安がある事を上記デメリットの記述で伝えておいた。

 

STRiDAは通勤通学、近所へのお買い物程度の利用に向く、いわゆる”ちょい乗り”用に適している折り畳み自転車であると思う。

生活の足として日常用途向けに特化された構成をしているので、本来ならばこれをわざわざ台無しにするような改造は控えるべきだし、そのような事をするのであれば最初からそれに適した車種を選ぶのがベターであり、こういった行為は必ずしも褒められることではない。

 

自分がなぜSTRiDAで事に及んだのかというと、狭い玄関に置いておいても邪魔にならなくてセルフメンテが面倒臭くない自転車が良いからという理由に尽きる。

気に入った自転車にずっと乗っていたい。

この自転車で、もっと遠くに行きたい。

ペダルを回し始めると感じる気分の高揚感に身を任せてそんなことを考えてしまうのは自分だけではない筈だと思いたい。なので、STRiDAで似たようなお悩みをお持ちになっている方がいらっしゃるのでしたら、こちらをひとつの手段としてお考えになるのはいかがでしょうか?という程度でお勧めしたい。

 

ここまで長々と面倒臭い事を書き連ねたが、結局のところやるなら道交法と安全面に気を付けてさえいればいいと思う。ベターとか知った事かよ。